2010年2月9日火曜日

古刹百景  建仁寺



古刹百景    建仁寺
京都は八坂神社から西の祇園町界隈の繁華街の道を南に、一瞬静寂に包まれた空間こそ禅宗の名刹「建仁寺」である。二月の中、昨夜に降った雪が堂塔の屋根に雪化粧、人も影も無く禅堂を拝観することができた。創建以来八百年、日本の臨済宗の根本道場として栄え、多くの学僧、禅僧を育てた、わが国最古の禅寺として開山は栄西禅師、開基は源頼家。当初は禅寺として開山する事は困難で、天台、真言、禅の並立での、建仁寺建立であった。半世紀後の宋僧道隆(建長寺の開山)の入寺の頃から純粋禅の寺院となった。臨済宗建仁寺派本山で本尊は釈迦牟尼如来で京都五山の三位に列せられ、俵屋宗達の国宝「風塵雷神図」は有名である。開山の栄西は日本の禅宗の先駆の禅僧として備中は吉備津神社の社家に生まれ十一歳にして出家し、十三歳にして比延山に上がり、二十八歳にして博多より入宋し、明州より上陸し天台山等を巡拝し禅に着き学んだと言う。建仁二年(1201)に源頼家の帰依を受け鴨川の東に寺域を与えられて「建仁寺」を建立、栄西の没後も室町時代には足利幕府の手厚い加護を受け、塔頭六十余を数えて大いに栄えたが、応仁、文明の乱で諸堂は悉く焼失した。その後豊臣秀吉より寺領八百二十石の給付などあって、再建され寺勢が盛んになり順次堂塔が建立されていった。

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